限定御朱印に込められた思い

御朱印作りの様子

毎年2月11日の大黒祭では1日限定の御朱印を頒布しております。
今年は石上誕良上人が大荒行堂に入られましたので少し特別な御朱印をご用意することになりました。

今年限定御朱印の試作品(実物とは異なります)

実際に頒布する御朱印は誕良上人が荒行堂に持って入られてまして、行堂中で仕上げて100日間お経をあげることになっておりますので、実物はもう帰山される2月11日まで見ることはできません。
そのため画像とは異なる可能性がございます。
特に左の試作品はまだ印が出来上がっていない時の手描きのサンプルなので出来上がりイメージが異なることは確実で、私も大黒祭の日が楽しみです。

私は今回、誕良上人が主体となってデザインや印の作成をされているところを少しだけお手伝いさせていただきました。
その時にこの御朱印に込めた思いを少し綴ります。

【左側の御朱印】
まず印は丸いものを選び、その両脇に稲穂を沿わせました。
稲穂は実りの象徴で古より縁起の良いもので、それが時計回りにループしています。
実り(幸せ)が好循環するようにという願いを込めています。

【右側の御朱印】
こちらの印は八角形を選びました。
もちろん「八」は「末広」など縁起の良いイメージがございますが、それ以外にも色々な意味があり日本以外にも東洋でも西洋でも縁起が良い数字と言われているそうです。
そして左上には金色の打ち出の小槌、右下には米俵、これは大黒祭から連想されるモチーフを選びました。
この打ち出の小槌から『小判』や『福』『禄』『寿』が米俵に降り注ぎ、積もっていく様子を表現しています。

【御朱印の上下にある伝統模様】

御朱印の伝統模様

御朱印に施された伝統模様

この画像は試作品ですが、上が『麻の葉』下が『毘沙門亀甲』の柄があしらわれています。
この柄は日本の伝統文様でそれぞれ意味があります。
麻の葉は『魔除け』の意味があり、神事に関係する場面でもよく使われるそうで、実際正覚寺の本堂の扉(木戸)にも使われています。

本堂の木戸にあしらわれている麻の葉模様

そして毘沙門亀甲にも『魔除け』そして『健康』『長寿』の意味があり、さらには『財をもたらす』という縁起の良い意味もあるため、この文様を選びました。

実はこの時に誕良上人から「大黒天は金運や富だけの神様ではない」というお話も伺いました。
そのため誕良上人は「御朱印も金銀財宝ばかりのイメージが偏るのは好ましくない」ともおっしゃっていたので、それでは2種類作ってみては良いのではないかとなったのです。
(大黒天についての詳しい話は成満後のお上人さんにぜひ伺ってみてください)

もし大黒祭の日にご参拝いただけるのでしたら、お好みの1枚をお持ち帰りいただけたら嬉しいです。

石上誕良 内

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